■国内メディア

産経新聞「CO2削減 炭に期待 利用拡大めざし普及会発足 欧米でも関心高まる」(09/02/12)

日経エコロミー「木炭で温暖化防止を目指す・小川真 日本バイオ炭普及会会長」(09/06/02)

毎日新聞「炭で温室ガス削減 微生物の繁殖効果に期待」(09/09/15)

毎日MyEcoリポート「地球温暖化防止に向け炭の機能に新たな役割」(09/10/05)

自然と人間「炭は森と地域を豊かにする(森びとシンポ報告記事)」(10/01/01)

京都新聞「炭素埋設農法-環境と収入一石二鳥」」(10/01/04)

自然と人間「日本中の森林に炭を撒く(森林の会 宮下正次氏)」(10/05/01)

自然保護2010年5,6月号「キノコを使って自然と人のためにマツ林を再生する」(10/05/01)

中日新聞「竹から生まれた土壌改良材~間伐材をバイオ炭に」(10/06/28)

ウッドミック2010年7月号(JBA第二回総会記事及び小川会長総括全文掲載)(10/07/01)

日本経済新聞「松林と日本社会~小川眞さんに聞く」(10/10/30)

朝日新聞夕刊「炭焼きで地球を救うぞ!」(10/11/9)

日本経済新聞文化欄「炭やき伝承 燃える心」(12/10/10)

 

■海外メディア

Biochar:森林火災に対処する、より良い、環境保全的な方法

2009/9/29 Greenbang, USA

要約:一年間に380万haの森林が火災により消失し、消火活動等に20億ドルを費やしているアメリカでは、旱魃と松くい虫の被害により、森林火災が増えている。それを食い止めるためには、燃えるもの=木を外に持ち出すか、そこで予め燃やすかの方法しかないが、持ち出すのはコストがかかり過ぎるし、燃やすのは大気汚染防止条例等に抵触する恐れがある。

そこで、Biocharのプラントが今注目を集めているのだ。
今回5人の上院議員によって提出されたWECHARという法案は、もとからあった林に侵入して水を多量に吸い上げ、土壌を乾燥させる塩松(780リットル/1日・1本の水を消費する)や松くい虫にやられて枯死した松などを、Biocharの移動型プラントを使って、森林の現場で材木を処理し、Biocharを生産するための技術開発を促進するためのローン保証や財源供与をするものである。
森林火災への対処という観点から、アメリカ西部では低コストで温暖化防止にもなるBiocharの技術に期待が寄せられている。
本文

環境預言者の進化-気候変動が急激に現実化しつつあるのに合わせてアル・ゴアの知見も進化している(アル・ゴアの新刊本の紹介)

2009/10/31Newsweek誌

(前略)アル・ゴアは61歳だがいつもジーンズを履いてボタンダウンの開襟シャツを着ていると年齢よりも若く見える。2000年にフロリダで大統領選の再投票を戦った時よりも痩せているし、自宅の他に事務所も持っていない。彼は今も4分の1は「不都合な真実」の核心部分のスライドを見せて環境ボランティアを啓蒙するために自分で荷物を担いで一人で飛び回っている。

忙しいスケジュールの合間を縫ってある10月の温かい午後、私は彼が最近出版した「私たちの選択:気候に関する危機を解決するためのプラン」(100%再生紙でできており、1,513本の樹木と57トンのCO2を削減している:これらのCO2はカーボンニュートラル社を通じてオフセットされ、全ての利益は彼が2006年に創立し、2007年のノーベル環境賞の賞金を全て寄付した気候防護連盟に向けられることになっている。ダイニングルームで彼はその部屋の壁を自身が書き込んだ50cm×58cmの大きなポストイットで埋め尽くしたと言う。「壁沿いの床は全て気候問題の解決サミットから持ち帰ったこれらの大きなノートが積み上げられていたよ」と苦笑しながら言う。そして大きなテーブルがさらに章を増やすための材料を整理するために犠牲になっている。通常は著者が出版社に原稿を渡して12ヶ月で本になるものだが、ゴアの場合は二人のアシスタントを抱えているとは言うものの、11月3日出版予定というのに8月の時点でまだ執筆を続けているのだ。

しかし、かつて新聞記者でもあったゴアは締め切りを決めていた。中庭で彼はどうやって執筆したかを語ってくれる。彼はニューヨークやナッシュビルその他3つの都市で2007年から6回に亘って気候問題解決サミットを開き再生可能エネルギー、原子力、エネルギー効率、スマートグリッドなどの専門家たちを非公式に招待したのだ。そして「10数人の科学者や技術の専門家から一人の専門家から聞いたことを別の専門家にぶつけるといったスタイルで聞き取りを行い」彼らの頭脳と最新の知見を借りて一つ一つ認識を深めて行ったと言う。最後に「40ページの概要が出来上がった。それは真に網羅的(百科事典的)なもので、10冊の本がその中に包含されていると言えるものだったんだ。」

「私たちの選択」は彼の最良のそして最悪の作品である。それは命令的で、消耗的で、分かりやすく、博聞的で、論理的な、ソーラーや風力、地熱エネルギー、バイオ燃料、炭素貯留、原子力、森林の炭素固定可能性、エネルギー効率、そして大陸レベルでとても効率的な送電システムの発達を妨げている要因などについて書かれているテキストのようなものだ。しかしありがたいことに、以前出版された「あなたができる50のこと」のようなものではない。にもかかわらず、ゴアは沈黙している人々が彼の言う「大きな解決」に向けて政治的な圧力を及ぼすことを願っている。そして「私たちの選択」は法律を作る人々やビジネスリーダーこそが、地球環境条約を含む私たちが本当に必要としている法律や政策を実現してくれることを念頭に置いたものである、と先週カイロからの電話で話してくれた。(中略)

ゴアは少年時代農村で過ごした人間の感性で植物や土に愛着を持っている。森林の消失や火災で多くのCO2-全体の放出量の20-23%が放出されている。これは車やトラックが放出するCO2よりも多い。ただし、1980年までは化石燃料由来のCO2が森林消失由来のCO2よりも多く、1800年代から40%の増加となっている。

電力産業や工場、車が排出するよりも多くのCO2を土壌が吸収する可能性はゴアのジレンマである。(中略)うまく持って行けば土壌は今排出されている以上のCO2を吸収できるが問題はどれだけ多くの量?ということだ。オハイオ州立大学の土壌学者ラッタン・ラルは昨夏「ゴア元副大統領があなたと話したがっている」という電話に驚いた。「私は土壌と気候についてあなたに15から20の質問がある」と言う。ラルの計算では農民が土壌被覆や不耕起、被覆植物などを15億haで実践すれば1ギガトンのCO2/年を隔離できる。これは年間放出量の12%だ。別の専門家はもっと楽天的だ。「もし我々が生物多様性を確保し、草地を適正に管理するなら我々は放出している量と同じだけの炭素を隔離できる」とサミットに二回出席したロデイル研究所のティモシー・ラサレCEOは言う。問題はもし、あなたが土壌の炭素隔離機能が我々が放出する多くを賄うものであると言うなら、炭素問題からのフリーパスをもらったようなもので、CO2放出抑制の機運を下げてしまうのではないかということだ。

ゴアは科学的な立場で政治が正しく運用されるように図っている。彼は土壌が化石燃料由来のCO2放出量の15%を隔離できると書いている。これは次の50年でCO2濃度を50ppm下げる効果がある(今は387ppm、産業革命以前は280ppm、危険レベルは450ppm)。農業部門が変身して炭素隔離を果たすためにゴアは価格保証政策から「どれだけの炭素を土壌に貯留し、隔離したか」に応じて直接農家に支払うことを提言している。炭素隔離した農家へ支払うのはBiocharの利用を通じてで、Biocharについてゴアは「消耗した土壌に炭素を貯留するもっともエキサイティングな戦略の一つであり、かなりな量のCO2を隔離できるものだ」と述べている。Biocharは1989年に彼がアマゾンへ旅行した際に学んだもので、多孔質の炭のことだ。スイッチグラスやとうもろこしの皮その他の廃物を原料とし、あたかもタバコのチャコールフィルターが有害ガスを吸着するようにCO2を吸収する。ゴアはこのBiocharがCO2の年間放出量の40%を隔離できるだろうと考えている。

(後略)本文