IBIでの国際的な取組

IBIの誕生と第一回大会

IBIは2006年7月にアメリカ・フィラデルフィアで開催された世界土壌科学会議のサイドミーティングから生まれました。Biocharに関する全体会議はこれまで2回開かれており、一回目は2007年4月、オーストラリア・ニューサウスウェールズ州で13カ国から107人の参加者を集めて行われました。
この会議で発表された論文のタイトル
を眺めてみると、このきっかけとなったTerra Pretaに関するものや、炭の生産法・土壌施用効果、それらの炭のマーケティングに関するものの他、LehmannらによりBiochar(この時はAgricharという呼称が主で、2回目からBiocharとなる)を温暖化対策に有効な手段として位置づけるにはどうすればいいかという発表もなされています。

第二回大会

二回目は2008年9月、イギリス・ニューキャッスルで、31カ国から225人の参加を得て開催されました。一回目に比べ、参加国数、参加者数ともBiocharに対する認識の広がりが感じられる増加ぶりです。日本からも杉浦銀治・小川眞が30年来取り組んできた炭の作物増産効果について発表したところ、Terra Pretaの発見よりはるか以前に、東洋で炭の農業利用が進んでいたことに大変驚かれましたが、200人を超す参加者の熱気は大変印象的でした。
この会議ではBiocharの生産法・土壌施用効果などが第一回目よりも深く議論されましたが、重心はやはりBiocharによる炭素取引とそれに関連したBiocharの土中での安定性を含む性質の特定化や、国レベルまた国連レベルでどう政策に反映していくか、またビジネスに結び付けるにはどうすべきかといった政治的・社会的な分野でした。これは同年12月からポスト京都に向けた政府間協議が活発化する背景があったためです。

この会議ではUNCCD(国連砂漠化防止条約)からもExecutive secretaryが2012年以降のポスト京都の炭素市場にBiocharを含めるための提言がなされ、Biocharに対する大きな期待が寄せられました。
また、この数ヵ月後にはIBI委員長のLehmannとIBI副委員長Stephen Josephの共同執筆でBiocharに関する総合的な解説書が発行されました。

地域会合

その後これまでに2008年10月アメリカ土壌科学協会主催でBiocharに関する学会が開かれ、40の口頭発表がなされた他、2009年5月にはオーストラリア・ニュージーランドBiochar研究者ネットワークと日本バイオマス炭普及会の共催で初のBiochar地域会合となるアジア太平洋会議が10カ国から200人以上の参加を得て開催されました。

この会議は地域会合ということで制度設計や炭素取引などの発表は少なかったものの、オーストラリアのテラ・プレタの研究や、鶏糞炭の土壌施用、また農牧地からのN2OやメタンガスをBiocharがどれだけ吸収・緩和するかなどの実証実験に関する発表が活発になされました。(プレゼンテーションタイトルとコメント-日本語

また、同年8月にはアメリカ・コロラド法科大学エネルギー・環境セキュリティセンターの主催で北米biochar会議が開かれ、325人の参加、80の口頭発表で賑わいました。10月中旬にはイギリスと中国の二国間で主に中国政府機関がBiocharに関する最新情報を得るための会合が北京で持たれることとなっています。

今後の予定

今後、2010年9月には第三回目のBiochar国際会議がブラジル・リオデジャネイロで、2011年秋には日本でアジア太平洋会議が開催される予定です。